創作脚本の部屋へ2001年度 兵庫県立伊丹西高等学校演劇部アイフェス参加作品
作 将 軍
潤色 五ノ井幹也
【キャスト】
ポ ー 太った嘘つき
セ イ つっこみ役
カ ー 走る姿が美しい
Dr尾崎 （声のみ出演）
■Ｆ０『客入れ』
緞帳はない。舞台上には、中央にコタツ、後ろにデッキ。デッキからは音楽が流れている。
その他椅子等が置いてある。コタツの上には鍋敷き。開演時間が迫ると舞台上に変化が
現れる。シャワーを終えたセイ。登場してうまそうにチューブ入りスポーツドリンクを飲み始め
る。デッキの音楽に気付き、ボリュームを上げる。一人肯き、そして手を叩く。
☆S.E.1 『オープニング』C.I. 幕開き。
■Ｆ１『Ｑ．Ｅ．Ｄ．』
Ｔ１『鍋１』
セイはデッキの所でスタンバイ。そこへ全力疾走でカー登場。ぴたりと止まる。
☆S.E.1 F.D.―F.O.
カ ー なあ、セイ。地球外生命体って、信じるか？
セ イ …なんですか、いきなり。
カ ー 信じるか？
セ イ 信じるかって…
カ ー 信じるか信じひんかどっちか答えたらええねん！
セ イ 信じ、へん。
カ ー そやろ、俺も昨日まではそうやった。だが今日は違う。見てしもた。
セ イ 何を？
カ ー 地球外生命体を！
セ イ わ、びっくりするやろ。
カ ー そや、びっくりするなんて言うありきたりの言葉が通用せんぐらいのえげつない衝撃や。
セ イ どこで？
カ ー そこで。
セ イ そこって？
カ ー このスペースコロニーの中で！
セ イ え、もう進入されてるの？
カ ー しかも昨日かららしいねや。
セ イ そんなん、ニュースでも何でも流れてなかった。中央制御室？それともエネルギー備蓄センター？
カ ー どうやら第４５０区画らしい。
セ イ ここ？
カ ー そう。
セ イ それは嘘やろ。
カ ー 嘘やと思うならそこからのぞいてみ。地球外生命体がＵＦＯの点検しとったぞ。
セ イ そんなあほな…。
カ ー とにかく俺は治安維持センターに連絡を取る。お前はマスコミや。こんな出来事滅多にあらへん。うまい
こと捕まえて見せもんにでも。
セ イ ちょっと。
カ ー 何や。
セ イ 何か聞こえる。
☆S.E.2 ＵＦＯ
カ ー しもた。気付かれた。
セ イ おい。
カ ー 奴か来る。油断するな。
セ イ どないせい言うねん。
突如明かりが明滅し、ＵＦＯのエンジン音が高まる。天井から一筋の光が
セイを狙い差し込んでくる。突如苦しみ出すセイ。上空に吸い上げられていく。
必死で止めるカー。ぷつっと光は途絶え二人は地面にたたきつけられる。
続いて登場する異様な人影。地球外生命体か！ バックサス！ もはやパ
ニック状態のカーとセイ。地球外生命体は一歩一歩二人に近づく。地球外
生命体は手に持った物体をコタツの上に置く。ＵＦＯ着陸音。
ポ ー 着陸完了、異常なし。
二 人 わー。
セ イ （手をたたく）ってちょっと待て。ＵＦＯってこれか！
ポ ー ふぉっふぉっふぉっ
セ イ 鍋つかみを取れ。
ポ ー だってそんな大きいの作られへんもん。
カ ー わ、しゃべった。
セ イ 兄貴もいつまでやってるんですか。もう止めました。
カ ー なんや、せっかく乗ってきたのに。
ポ ー いや、ようできてると思うけどなぁ、これ。
カ ー お前は細かいとこ、気にしすぎるんや。かまへんやろ、これＵＦＯで。
セ イ せやかて前半のリアリティーがこいつでぶちこわし。
ポ ー あ、分かってないなぁ。ＵＦＯは分子間距離を調整してこのサイズにまで縮小できるんや。
カ ー お！ ハイテク地球外生命体！
ポ ー ふぉっふぉっふぉっ。
セ イ それでは質量が変わってない！ともかぁく！ このままでは兄貴は納得させられても俺は納得でき
ない。
ポ ー 人がせっかく晩飯用意したのに。
カ ー やったー、今日は鍋か。
ポ ー そう、鍋。
セ イ 今日はとちゃう。今日もや。
ポ ー 毎日同じ味付けでは飽きるやろうと思って、今日は演出にこだわるわけよ。
セ イ ほな、お品書きの所に「寄せ鍋、地球外生命体との遭遇風」とか書く訳か？
ポ ー 新しいやないの。味付けに演出も加わる料理。
セ イ 知らんしらん。そんなの聞いたこと無い。
カ ー おれ、知ってるで。大昔の話でタクワン和尚。偉い殿様招待して待つだけ待たしてタクワン一切れ
だけ食わす話。めっちゃ旨かったらしい。
ポ ー お、さすが兄貴。
セ イ そんなもん普通にしたら打ち首獄門です。
カ ー ま、そこはお話やからな。ここでやったら打ち首獄門や。
ポ ー ははは…。
セ イ まさかお前、これ以上何か考えてないやろうな。
ポ ー 考えてない。安心して。
カ ー ほな、早速戴こか。
ポ ー ちょっと待ってください。今日は火の通りの悪いもんが入ってるから、ここでもうちょっと加熱せんと。
カ ー なんや、白菜の芯でも入れたんか。
ポ ー 捨てるの、ほら、勿体ないから。
セ イ ほんまに何もたくらんでないやろな。
ポ ー ほら、僕の目を見て。
セ イ いや、もうええ。分かった。
カ ー そしたらもうちょっと待たせてもらおか。おいお前ら、何か食欲の湧くような話してくれ。
Ｔ２『猫の骨』
二人顔を見合わせるが先陣を切ってセイが喋り始める。
セ イ 兄貴、この部屋ってようここまで片付きましたなぁ。
カ ー せやなぁ、最初めっちゃ汚かったもんなぁ。
ポ ー 難儀しました、掃除すんの。
セ イ すんませんでした。あん時はちょうど医者行かなあかん日で。
カ ー ワシもおらんかってんけど…
セ イ ってことは、この部屋ってポーが一人で片付けたんか？
カ ー そういうことになるなぁ。
ポ ー ホンマ大変やったんやから。
セ イ よう片付けたなぁ。
カ ー ホンマや。
セ イ どれっくらいかかった？
ポ ー う〜ん、５時間くらい。
カ ー お前、ようやるなぁ。
ポ ー けっこうおもろかったっす、色んなもん出てきたし。
セ イ 色んなもんって？
ポ ー このコタツとか、あのデッキとか。
カ ー え、このコタツって前からここにあったんか？
ポ ー みたいです。
セ イ ふとんは？
ポ ー ちゃんと洗った。
カ ー 感心感心。ようやってくれた。
セ イ こんな前世紀の遺物みたいなもんがなぁ。
カ ー あいつ（デッキ）動くんか？
セ イ はい、なんとかメモリーチップは使えるみたいやったから、さっき付けてみたんすけど。
カ ー ええやん、つことこうや。
セ イ それが、どうやら電池式らしいんす。
カ ー 電池ぃ！？
セ イ はい、せやからすぐ切れてもうて。
カ ー 電池って、いつの時代のもんや？
セ イ しかも…、
カ ー まだあるんか？
セ イ ＣＤとＭＤが。
カ ー うっそ〜？
セ イ ホンマです。
カ ー この部屋って、いったい何年使われてへんねん！？
セ イ さぁ…
ポ ー ３０年ぐらい。
セ イ え？
ポ ー 部屋に賞状が。
カ ー ３０年前の？
ポ ー はあ、しかも演劇部の。
セ イ ってことは、この部屋って３０年前演劇部が使っててそれっきりかい？
カ ー 冗談抜きで前世紀の遺物やったんやなぁ。
ポ ー でも、そうでもないみたいで。
セ イ え！？
ポ ー 部屋の隅の方に、
カ ー うん、
ポ ー 落ちてましてん。
セ イ 何が？
ポ ー 猫の骨。
カ ー 猫の骨！？
ポ ー うん、１５匹分ぐらい。
一同顔を見合わせて笑う。えへへへへ。
セ イ 誰かの飼い猫が入り込んで…
カ ー いや、でも１５匹はおかしいやろう。
セ イ そいじゃ、たまり場やったとか？
カ ー うん…
セ イ 集団自殺？
カ ー そなあほな。
ポ ー 猫捨て場とか。
セ イ え！？
ポ ー いらんようになった猫とか、死んだ猫とか、捨てにくんねん。
カ ー 誰が？
ポ ー 飼い主。
カ ー …それって、けっこう怖い話やなぁ。
ポ ー まぁ、違うやろうけど。
セ イ いくらなんでもそんなことせんやろう。
ポ ー いや、そうじゃなくて、
カ ー ん？
ポ ー そのそばにな、あってん。
セ イ いや、何が？
ポ ー 火使ったような跡が。
セ イ え！？
ポ ー ほら、あそこの角んとこ、焦げてまっしゃろ。
セ イ うっそ〜！？
カ ー いや、ホンマに焦げとる。
ポ ー そんでな、
カ ー まだあるんか！？
ポ ー そのそばに、もっと大きいめ骨が…。
セ イ 今度は犬かなんかか？
カ ー もしかして、人間とか。
ポ ー どうやらそうみたいでんな。
カ ー （ 間 ）なぁ、今のってどっちに返事したん？
セ イ もちろんオレの方やんなぁ？
ポ ー さぁ、どっちですやろ。
セ イ どっちですやろって、お前なぁ。
ポ ー どっちがよろしい？
カ ー そら、犬の方がまだまっしやけど。
セ イ って、そういう問題やないやろう。
ポ ー じゃぁ、兄貴の言うた方。
カ ー お前、冗談きついなぁ。
ポ ー おおきに。
カ ー いや、褒めてへんから。
セ イ で、嘘やんなぁ？
ポ ー 嘘やと思う？
セ イ ってことは……
ポ ー 嘘や。
セ イ …そうやんなぁ。
カ ー 驚かすなよ、ポー。
ポ ー ってことにしとこ。
セ イ いや、しとこって、お前！
ポ ー ふっふっふ〜〜〜。
セ イ もうええわ。
カ ー で、お前それどうしたんや？
ポ ー え？何を？
カ ー 骨や。掃除したんやろう。
ポ ー あぁ、あれ。
カ ー どうしたんや？
ポ ー ダシ取りました。
セ イ え！？（二人後ずさる）
ポ ー この鍋の。
カ ー っておい、ちょっと待てや！！
ポ ー 嘘やで。
セ イ え！？
ポ ー ぜ〜〜んぶ嘘。２人ともまんまとひっかかったの。
セ イ 今度はホンマやろうなぁ。
ポ ー そやから嘘やって。
セ イ いや、そうじゃなくて。ホンマに嘘やんな？
ポ ー うん、まぁそうかな。
確認のための間
カ ー (笑)いやぁ、一杯食わされたなぁ。
セ イ (笑)もう、ポーも人が悪いんやから。
ポ ー な〜んちゃって。
２ 人 へ！？
ポ ー ふっふっふ〜〜〜。
セ イ もうええわ、この話はこの辺にしましょ。
カ ー そやな、このまんま続けとったら鍋食われへんようになるわ。
セ イ そうそう、何か別の話題を。
Ｔ３『黒酢』
ポ ー あ、そうや。
セ イ お前はもうええ。黙っとけ。
ポ ー 実はなぁ……
カ ー そやから、黙っとけって言ってるやろう。
ポ ー わかった、黙ってる。
沈黙、ポー笑顔
カ ー ええい、もう、気になるなぁ。
セ イ その顔気持ち悪いからやめろ。
ポー、さらに笑顔
セ イ もう、わかったわ。話してええから。
ポ ー そう？
セ イ で、今度は一体何の話や？
ポ ー 実はな、家からええもん持ってきてん。
セ イ 何？
ポー、荷物から紙に包まれた一升ビンを取り出す
カ ー おっ、なんやポー、気ぃきくやないか。
ポ ー そうやろう？
セ イ さっそくいただこう。
カ ー 乾杯しようや。セイ、コップとれや。
セ イ へい！
セイ、紙コップを３人にまわすポー、入れる
ポ ー はい、兄貴。
カ ー なんや、お前そんだけでええんか？
ポ ー うん。
カー、入れる
カ ー なんかこれ、黒いねんけど。
セ イ ホンマや。
ポ ー これはそういうもんやろ。
カ ー はい、セイ。
セイ、入れる
カ ー しかも、変なにおいしてるし。
セ イ すまん、オレ今鼻つまり気味やからわからん。
ポ ー そやから、そういうもんなんやって。
カ ー う〜〜ん、そうなんかなぁ。
ポ ー なぁ、２人とも。
セ イ ん？
カ ー 何や？
ポ ー そんなに飲むん？
カ ー なんか悪いか？
ポ ー いや、けっこうきついで、これ。。
セ イ ええやんか、それっくらいの方が。
ポ ー ホンマにええん？
カ ー ええって言うてるやろう。
セ イ まぁええやん、乾杯しよ。
カ ー そうやな、そいじゃ、皆の友情に。
３ 人 カンパ〜〜イ！！
３人、一気に飲み干す。カー・セイむせる
セ イ ポー！いったいなんやねんこれ！？
カ ー とりあえずなんか飲むもん。セイ、ジュースあったやろ。
セ イ あぁ。
セイ、スポーツドリンクチューブを出し、２人のコップにつぐ。
ポ ー ほら、そやから言うたやん。けっこうきついでって。
セ イ なぁ、ポー。これはなんやねん？
ポ ー え？そやから、黒酢。
ポー、ビンの紙をとると大きく黒酢の文字
２ 人 黒酢！？
ポ ー そうやけど……２人とも、知らんかった？
セ イ 知るかそんなもん！！オレはてっきり、なぁ？
カ ー ホンマや、普通そう思うやろう。
ポ ー え？じゃ、何やと思ってたん？
カ ー 酒。
セ イ そうや、日本酒かなんかかと思って。
ポ ー 酒！？アルコールなんかあかんで。だって火ぃつくもん。
セ イ は！？
ポ ー え！？だってアルコールランプとかって……
セ イ お前なぁ。
カ ー だいたい、黒酢なら黒酢って最初っから言えや。
ポ ー いやぁ、２人とも知ってるもんやと思って。
カー・セイため息をつく
ポ ー でも、ワシ一言も酒やなんて言わんかったやろう？
カ ー そりゃぁそうやけど……
セ イ なぁ、ポー。
ポ ー ん？
セ イ お前、本気でこれ出したんか？
ポ ー え？どういうこと？
セ イ つまり、オレらをおちょくったとかじゃないんかって。
ポ ー いや、ワシはただ黒酢が体にええからやなぁ。
セ イ ほんまやな！？
ポ ー うん、ホンマやで。
セ イ 時々、お前がどこまで冗談でどこまで本気かわからんようになるわ。
カ ー たしかにな。
ポ ー ありがとう。
セ イ いや、別にほめてるわけじゃないんやって。
カ ー さ、体もすっかり綺麗になったところで、食事に行こか。火の通りにくいもんちゅうても、さすがに
出来たやろ。
ポ ー あ、いや、まだかも知れません。
カ ー なに、まだ？いつまでかかってるねん。普通の鍋やったらどろどろになるぞ。ポ ー あ、それ絶
対大丈夫。
セ イ なんか俺、不吉な予感が。
ポ ー ん？何のこと？
カ ー ちょ、待て。お前何鍋にしたんや。まさか闇鍋ちゃうやろな。
ポ ー ちゃうちゃう。寄せ鍋です。ちゃんと言ったでしょ、今日は鍋やって。
カ ー おい、お前、勇気を持って開けてみ。
セ イ 俺っすか？
カ ー そう、お前や。
セ イ マジで？
カ ー 気、付けろよ。
セ イ 脅かさんといてください。
ポ ー 鍋つかみ、要るんちゃう？
セ イ お、貸してくれ。
カ ー 何で鍋食うのにこんなに緊張感漂うねん。
セ イ 何となく、爆弾処理班に入った気分です。
鍋つかみを装着したセイ、恐る恐るフタを取る。と
セ イ おい、これどういうことや。
カ ー お前、俺らをおちょくってるんか。
ポ ー 演出ですやん、演出。
カ ー 鍋の中に鍋入れてどうすんねん。
セ イ まさかこれ食えっていう話しやないやろな。
カ ー お前のいうとった煮えにくいもんってこれか！
ポ ー 大丈夫。それふた開けてみて。
セ イ これ、開けたらええねんな！
今度はもう一つ内側の鍋のフタを取る。すると、さらに小さな鍋が。ポーうれしくなって笑っている。
セ イ ぶち殺す。
ポ ー わ、ちょっと待って。演出も味付けのうちって。
セ イ 味付けが濃すぎるんじゃ、こんなもん食えるか！
ポ ー それは最後まで行ってから言うてくれ。
カ ー この中に、ほんまに入ってるんやろな。
ポ ー フタ、取ってみて。
セイ最後のフタを取る。中には、タクワンが三切れ。
ポ ー ほら。
無言。３人はタクワンを一切れずつ箸で高く掲げ、口の中に入れる。しっかり
噛んで飲み込んで。
カ ー なるほど、これは旨い。
ポ ー ね。
間
カ ー ってこれだけで足りるわけないやろ。晩飯やぞ晩飯。
ポ ー だってタクワン和尚のお話を…。
セ イ 打ち首獄門にしましょ。
カ ー 異議なし。
セ イ 多数決により打ち首獄門の刑が決定しました。
ポ ー わ、ちょっと待って。
Ｔ４『地震？』
☆S.E.3 『震度１』ボリューム小
ポ ー なぁ、今なんか揺れへんかった？
カ ー は？
セ イ 何言うてんねん？ それで誤魔化そういうんか。
ポ ー いや、ホンマに今ゆれたんやって。震度１ぐらいやったけど。
セ イ だいたいやなぁ、ここで地震なんか起きるわけがないんや。
ポ ー じゃ、彗星かなんかにぶつかったとか。
カ ー そういうのはオートパイロットが自動的に避けるか排除してくれんの。
セ イ そうや、だいたいこの近くにぶつかって揺れるような彗星とか大きいデブリとかはなかったはずやで。
ポ ー でも、確かに揺れたって。
セ イ さてはポー、お前また担ごうとしてへんか？
ポ ー してへんって、ホンマに揺れたんやもん。
セ イ もうだまされへんで、今度はここからどういう味付けにしようと思っとったんや？
ポ ー そんなこと思ってへんって、今のはホンマの話やねんから。
セ イ お前、この期に及んでまだ言うか！
ポ ー いや、そやからやなぁ。なぁ、兄貴、助けてや。
カ ー お前は信用できひん。
ポ ー そんなぁ……
セ イ もうええから、お前はそこでいじけたふりでもなんでもしとけ。
ポ ー ううう……２人が信じてくれない。
Ｔ５『鍋４(非常事態)』
☆S.E.4 『危機』C.I.―F.D. EVAの戦闘の時の曲とか(私的希望)
カ ー ん？何やこのＢＧＭは？
ポ ー デッキでも狂ったんかなぁ。
セ イ でも、オレチップにこんな曲入れてへんで。
カ ー じゃぁ、ＣＤかＭＤが入りっぱなしやったとか？
セ イ いや、何も入ってへんかった。それに電源落ちとってんで。
カ ー それもそうやなぁ。
ポ ー なぁ、これってスピーカーから聞こえてへん？
カ ー え？……あぁ、ホンマや。
セ イ じゃ、これ放送してんの？
☆S.E.5『緊急放送１』
尾 崎 緊急放送！緊急放送！第423区画が原因不明の衝撃により第１〜３隔壁を破損！付近にいる
ものは端末で確認の上至急非難せよ！繰り返す！第４２３区画付近にいるものは至急非難せよ！
ポ ー あ、尾崎教授や。
カ ー 隔壁破損！？
ポ ー はよ逃げなやばいんちゃうん？
セ イ ちょっと待った！
カ ー 何？
セ イ なぁ、カー、さっきミドル尾崎が驚かしたるから楽しみにしとけって言うとったんやろ？
カ ー うん、言うとったけど。
セ イ これちゃうか？
カ ー へ？
セ イ つまり、これはミドル尾崎の仕組んだ、
カ ー 狂言やっていうんか？
セ イ そう。
カ ー いや、でもやなぁ。
セ イ よう考えてみぃ、放送室の責任者って誰や？
カ ー ええと、誰やったっけ？
ポ ー ブラウン教授やで。
セ イ そう、で、ミドル尾崎は茶色さんと中がええ。
カ ー で？
セ イ ここだけ放送流すとかもできるってことや。
カ ー そうかもしれんけど……
☆S.E.6『緊急放送２』
尾 崎 緊急放送！緊急放送！破損した隔壁から何者かが進入したもよう。付近にいるものは至急
非難せよ！これは訓練や誤報ではない！繰り返す！第423区画付近にいるものは至急非難
せよ！これは訓練や誤報ではない！！
カ ー ほら、ああ言うてるで。
セ イ 訓練や誤報じゃないけどドッキリやってことやろう。
カ ー でも、
セ イ あの人ならやりかねんで。
カ ー そうやけど、とりあえず、端末だけでもチェックしてみようや！
セ イ いや、待て！端末つけたら『や〜い！だまされた！！』とか。
カ ー あのなぁ。
ポ ー なぁ、
カ ー 何！？
ポ ー それ以前に、この部屋端末ってつけたん？
カ ー アッ！付いてない！
セ イ ええやんか、どうせミドル尾崎が仕組んでんねんて。それより、鍋食うてようや。
カ ー オレ一応他の部屋の端末調べてくるわ。
セ イ どこまで？この辺他に空いてる部屋ないで。
カ ー じゃ、センターの方まで。
セ イ やめとけって。そうやってあせってたらミドル尾崎の思う壺やで。
カ ー お前……
☆S.E.7『緊急放送３』
尾 崎 緊急放送！第450区画に残っている３人！至急非難しなさい！繰り返す！450区画の３人！
至急非難しなさい！！
セ イ ほら、あせって直接攻撃にきたで。
カ ー でも、もしホンマやったらどうすんねん？
セ イ 何処にこんな学校の隔壁破って侵入してくる馬鹿がおんねん？
カ ー でも……
セ イ ええやん、ミドル尾崎があせってここのドア開けんの楽しみにしとこう。
カ ー そやけどやなぁ……
セ イ とりあえず、タクワン一切れじゃ身が持たん。なんか食べとこうや。
ポ ー そうや、ちゃんとした晩飯食べよう。
カ ー うん……
３人、また夕食の準備を始める。
☆S.E.8『ナレーション』
尾 崎 この後彼らはいったいどうなるのか！？放送は狂言なのか真実なのか！？続く！！
■Ｆ２『１年生歓迎』
Ｔ６『幼い夢』
セイ、手を叩く
セ イ はい、ここでボリューム上げて幕な。
ポ ー ふぅ、疲れた。
カ ー 結構疲れんなぁ。
カー、デッキを消しに行く
カ ー 上手くいきましたねぇ、こいつのタイミング。
つづく…
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